食事療養のサポートを現場から発信

停止の理由

こんにちは。めでぃはあと北摂の中村です。
5月も下旬になってしまいました・・・。
相変わらずバタバタしているうちに時が過ぎ、気がつけば誕生日も通過して
1歳老いてしまいました(苦笑)
そんなひとつ大人になった中村がお届けする今回のお話は、最近栄養コントロール食の利用
を停止されたあるお客様の停止理由についてです。

そのお客様が当社の栄養コントロール食をスタートされたのは今年の4月。
ご入院されていた病院から紹介され、退院後腎臓食を毎日利用されることになりました。

新規訪問の際にしたヒアリングで、
 ・ カリウムを減らすための「茹でこぼし」を行った野菜の軟らかさが苦手で、生野菜の
   食感が好き。
 ・ 生の果物が大好き。
 ・ 薄味は嫌い。
等々、腎臓食が継続出来るか心配な要素がいくつも出てきました。

しかし、そのお客様は私が勧めるまでもなく「腎臓守る為には、薬やと思って食べる
わな」とご自分から毎日の利用を希望されたのです。
お客様の自主性に期待しながらもまだまだ心配だったので、配食開始から3週間で3回
訪問し、その都度雑談を交えながらも摂食量や間食などのヒアリングを続けました。

最初のフォロー訪問の際は「あんたとこ、味付け上手やな~。食べやすいわ~。」と喜んで
食べておられましたが、3回目の訪問の時には毎日昼・夕の利用だった事もあり、少し
飽きてこられ、食事が全量摂取できない日も増えてきました。

そこで私は、食事を残された日は必要なエネルギーを確保して頂く為に、そのお客様がお好き
なアイスクリームでエネルギー補給をして頂くことと、栄養コントロール食の利用回数を少し
減らして様子をみて頂くことをご提案してみました。
(ちなみに、このお客様は糖尿病性腎症ではありません)
アイスクリームでのエネルギー補給に関してはすんなり受け入れて下さったのですが、食事の
利用回数を減らす事については「もう少し頑張ってみる」と、提案を断られたのです。

そして、3回目の訪問から2週間、配送の田中さんからそのお客様の停止の一報が入りました。
突然の停止だったので「もしや、入院?」との悪い予感もあったのですが、翌日ご本人様と
電話が繋がり、ご入院でない事は確認できました。
停止の理由をお聞きしてみると「食事が食べられないから」との事。

残食が多くなって来たとは言え、ご家族様やヘルパーさんでのコントロールが困難な状況に
あられる方だったので、週に何回かだけでも腎臓食のご利用を勧めましたが
「なるほど。なるほど。」と頷いて聞きながらも「ちょっと考えてみるから、とりあえずは
5月いっぱいは止めて欲しい」との答えが返ってきました。

配食が止まってしまうと全くと言って良いほどコントロールが出来なくなる事が予想されたので、
私はご本人様に停止理由を聞いたその日に、急いで担当のケアマネージャーさんの所に停止
の報告とヘルパーさんに調理に入って頂く選択肢はないかと尋ねにお伺いしたのです。

すると、ケアマネージャーさんから意外なお話を聞く事になりました。
「○○さんが食事を停止した理由は・・・、ついこの前、排泄の方で粗相をされた事が
 引き金なんですよ・・・実は。
 人一倍しっかりした方だから、その件を家族に非難された事がひどくショックだった
 みたい。配食に飽きたとかっていうよりは、食べ物や水分を口にする事が怖いみたいなの」

予想もしていなかった停止の理由でした。
でも、食事を食べておられるのは「人」なので、味やサービスへの不満だけでなく、
その方を取り巻く環境や状況でも食事療養を諦めてしまわれるケースもあるんだな・・
とこの件で気付かされる事になりました。

ケアマネージャーさんから「落ち着かれるまでは1週間くらい様子を見て、私から身体の
為には配食が必要やって説明してもう一回利用してもらうから、再開になったら中村さん、
またフォロー頼むね!」
との依頼も受けましたので、このお客様が再開されたあかつきには、また食事療養
を継続して頂くべくフォローしたいと思います。


                         
                           はーと&はあと 管理栄養士 中村  愛


北摂の様子は『もっと☆めでぃ北摂ブログ』でもご紹介しています。見てくださいね~!

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