食事療養のサポートを現場から発信

一歩一歩

こんにちは。めでぃはあと北摂の中村です。
すっかり春ですね。いや、ちょっと春を通り過ぎて初夏の陽気です。
ここ何日かは本当に「暑い」くらい。桜も早々と散り始め、青々とした葉が見えて来ました。
1年で一番過ごしやすい(と私が思う)季節。バイクで走っていても超快適です☆
この陽気に乗って、いつも以上に走り回りますよ~♪


さて今回は、10年近く献身的に奥様の介護をされるご主人と、そのご主人に支えられながら
糖尿病の治療をされている奥様のお話です。

この利用者様(以降I様とお呼びします)が最初に脳血管疾患で倒れられたのは約10年前。
以来ご主人が主介護者となって今日まで過ごしてこられました。
倒れた後遺症でもともともっておられた糖尿病は悪化し、更にこの10年の間に他の病気を
いくつも併発されており、最近では高血糖から一日中うとうとされている状態が続いておられ
ました。

この状態を見かねたケアマネージャーさんから紹介を受け、当社が食事をお届けする事に。

初回の訪問の時のヒアリングで気になったのはご主人の言動でした。
ご本人様はご自分で配膳ができないので、食事を準備されるのも間食を準備されるのも
ご主人になります。
しかし、明らかに間食を過剰に摂っておられる傾向が見受けられました。
ご主人に「本人様が欲しいとおっしゃっているのですか?」とお伺いすると、
「いえ・・・。でも、顔を見ると可哀相でついつい与えてしまうんです・・」との返答。

その時は初回でしたので、「ご主人のお気持ちはわかりますが、奥様のお体には毒ですので
心を鬼にして、間食は控えてあげて下さい。」とお願いして帰りました。

2回目の訪問時、コントロール食の継続で少し数値も安定してこられましたが、まだ
ご主人の「可哀相だから食べさせる」という習慣は治っておられませんでした。
それでも数値が徐々に改善していたので、ご主人にも改善に向けて気持ちを新たにして頂き
たくて、「奥様の改善の為には、ご主人がコントロールしていただかないと・・・」とお話
すると、ご主人は少し笑ってこうおっしゃいました。

「中村さん、私は10年近くも家内を介護してきました。正直、もう好きにさせてやっていいかなぁ・・
と思ったりする事もあるんですよ。本人には聞かせられませんが・・・。
これも駄目、あれも駄目って言うより、美味しそうに食べてる姿を見る方が良い様に思うんです」

とても重みのある言葉でした。

私も親を看た経験があるので少しはわかるのですが、介護や看護が長引けば長引くほど、
「こんな状態がいつまで続くのか・・。本人を楽にしてやりたい・・。」と思う気持ちと
「どんな形でも傍にいて欲しい」と思う気持ちが交互にやってくるものです。

ご主人の葛藤は伝わって来ましたが、それでもご本人様は少しずつ数値を改善しようと
努力しておられました。
毎食後に出される果物を減らす事も、おやつとして出されるおかきのカロリーを知って枚数を
減らす事にも、朝食のジャムを糖尿病用のジャムに変える事にもI様は積極的でした。

そしてその姿を見たご主人様も少しずつ行動が変わってこられ、私が訪問する度に
冷蔵庫からあれやこれやと取り出され「これはどう?どれくらいだったら大丈夫?」等と
食事のコントロールにすこしずつ積極的になってこれました。

その結果、HbA1cも7.8%⇒7.3%⇒7.0%と順調に改善する事となりました。
それでも、まだまだこれからもI様の食事コントロールは続きますので、I様ご夫婦と共に
一歩一歩改善に向けて進めるようにお手伝いしたいと思っています。

                             
                             はーと&はあと 管理栄養士 中村  愛


北摂の様子は『もっと☆めでぃ北摂ブログ』でもご紹介しています。見てくださいね~!

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