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透析療法を受けている方の「高カリウム血症」について(一般論)

透析療法を受けている方の「高カリウム血症」について(一般論)
こんにちは、東京の鈴木です。
急に朝晩が涼しくなり、まだ8月だというのにすっかり秋の気配です。
今年の夏は、日照時間も気温の高い日も少なく農作物への影響が心配されます。
既に夏野菜のキュウリ、レタスなども平年の2倍以上の価格になっています。
これから収穫されるコメの出来栄えも心配ですね、何年も前になりますが冷夏でコメが不作になり、コメ不足で古々米やタイ米を食べなければならなかったのを思い出します。
何でもそうですが、なくなると有難味を痛感しますね?おいしい米が食べられることに感謝します。
さて、以前に透析療法を受けている方の「高リン血症」について書きましたが今回は、
「高カリウム」血症についてです。
カリウムという物質は通常であれば体内に溜まることはなく、過剰に取り過ぎても尿や汗と一緒に排泄され、ある一定の濃度になるように調整されています。ところが腎臓の機能が低下すると思うように排泄出来ず、体内に蓄積してきます。このカリウムの血液中濃度が高くなり危険領域に入ると「高カリウム血症」となります。
透析治療をされている方にとって、最も危険なのがこの「高カリウム血症」といっても
過言ではないと思います。それは体内のカリウム濃度が高くなると心臓を止めてしまい
心不全を引き起こすからです。透析患者さんが亡くなる場合の大きな要因になっています。カリウムが上がる主な原因は次の三つが考えられます。
① 食事によってカリウムを多く含む食品を摂りすぎること。カリウムを多く含む食品は、野菜・果物・芋類・豆類です。カリウムは水に溶ける性質があるので水にさらしたり、茹でこぼすと少し減らすことが出来ますがトウモロコシ・枝豆など茹でても殆んど効果のないものもあります。茹でられない果物などは、缶詰を利用することをお勧めします。ただし、シロップ液にはカリウムが多く含まれているので注意が必要です。水さらしや茹でこぼしで減らしても食べ過ぎては同じことですから医師や栄養士と良く相談してください。
② 食事が取れずエネルギーが不足した時やサウナなどで無理に汗をかいた時にもカリウムは上昇します。エネルギー不足になると人間の体は自分の細胞を壊してエネルギーを補おうとします。また、サウナなどで無理に汗をかくと細胞が壊れてしまいます。細胞の中にはカリウムが多く含まれているため、急激に血液中のカリウムが上昇します。
③ 消化管出血や透析不足などでもカリウムが上昇します。この場合は医師と良く相談し、適切な処置をするより方法がありません。排便時に出血があるなど自覚症状がある場合はすぐに医師に報告してください。
カリウムが上昇すると「手足や唇がしびれる」「手足の力が抜けた感じ」「身体がだるくなる」「冷や汗がでる」「胸が苦しくなる」など様々な症状が出ます。その場合はすぐに医師に連絡してください。個人差はありますが血液検査でカリウム値が6.0mEq/l を超えると大変危険です。日頃から「カリウムの多い食品の摂りすぎ」「エネルギー不足」「無理に汗をかく行為」などには十分注意が必要です。

㈱はーと&はあとライフサポート
     管理栄養士 鈴木隆二

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