食事療養のサポートを現場から発信

大きな落とし穴

こんにちは。めでぃ京都の宮川です。
この三連休、京都は紅葉客ですごい人でしたね。
たまたま乗ったタクシーの運転手さんによると、丸太町から四条まで普段なら10分もかからないところ、30分もかかったようです。その点、バイクだと車たちの間を抜けていけるので、少しましかな、と思います。もう少し京都の秋は騒がしいかな。

先日、医院さんの栄養指導で、数値が上がってしまった方がいました。
70歳代、Y様、男性の方です。境界型の糖尿病です。3ヶ月に1回のペースで、栄養指導に来られています。
物静かな方で、ご自分からはあまり話されないので、こちらからお聞きして、お話をしていただくようにしています。

前回は7月末の栄養指導でした。それまで、お薬はなしで、血糖値の指標のヘモグロビンA1cは、7.5%前後をいったりきたりしていました。
ところが、今回、8%に上がってしまったんです。正常範囲は5.8%までです。

なんで!?どうしたの!?何食べられたんだろ、食生活が急に変わったんかな!?
いろいろ聞きたい気持ちを抑え、
「何か思い当たることはありますか?」とお聞きしました。
するとY様は、
「う~ん、何でかわからへんわぁ、運動は確かにしてなかったけどなぁ・・」と。

確かに運動は、仕事場まで徒歩での往復くらいでしたが、それは変わっていません。
もともとお野菜の嫌いな方ですが、トマトだけ3食中1食は必ず食べるようにされています。お食事は奥様が準備しており、内容も変わっていません。
風邪を引いたりもなかったので、やっぱり食べ物の影響です。

とすると・・??

確かY様、よく口寂しくなるって言われていたなぁ・・と考えていたら、
「間食やろなぁ・・」と、ポソっとY様。
思いあったってますやん!

思えば、今まで、週に1回くらい夜食のラーメンを食べておられました。
前回の指導時にも、カロリーが高いし夜はやめてくださいね、せめて春雨スープとかにしてくださいね、とお伝えしていました。
数値が維持できていたので、油断して週に2回くらいになっていたようです。

他にも、夏、暑かったときに、アイスを食べていたようです。
クリーム系はカロリーが高いので、シャーベット系の棒キャンディーにされていましたが、3本程食べておられたようです。
そして最近は、みかんの季節になってきたので、1日5個程食べておられるよう。

このままでは数値は上がってしまう一方!

合併症の怖さも、テレビで見て、よく理解しておられますので、
ラーメンはやめる、アイスももう寒いし食べない、これからの季節みかんに手が伸びるけれどみかんは2個までにする!!
こう約束し、栄養指導を終えました。

「ちょっと次までにがんばるわぁ」と、Y様。
「間食を減らしたら、数値は絶対下がりますよ」と私。
原因が分かってよかったよかった。さて。

と、最後に、「間食はパンくらいにしておくわな」と、ポソっとY様。
「パン・・ですか?」と私。
ちょっと待ってください、パン、初めて聞きます。

ふだんの主食はご飯のY様。よくよく聞きすると、夜食にラーメンじゃないときは、なんと、食パンにバターをたっぷり塗って食べておられました。

ご飯半分に相当するカロリー、バターでさらにカロリーオーバーです!
ラーメンや甘いものについては、カロリーが高いとよくいわれているので分かっておられたのですが、パンはまったく気にせず食べておられたようです。

「パンは、というか夜食と間食は、ちょっと気にしてやめてくださいね」と、今度こそ、原因が分かって、栄養指導を終えました。

大きな落とし穴でした。

ご自分からあまり話されない方は、こちらから食生活を、特にしっかりお聞きしないと、と肝に銘じられた栄養指導でした。
向こうから話していただけるような、雰囲気作り、話の進め方をしなければと思います。
次回の栄養指導時に、数値が下がって、一緒に、笑いたいなと思います。



冬の保存食、干し柿作りました。
おいしいけれど食べすぎには気をつけましょう。
ちなみに、1個(40g)で約100Kcalです。

はーと&はあと 管理栄養士 宮川曜子

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