食事療養のサポートを現場から発信

ささる言葉は?!

こんにちは。管理栄養士の宮川です。
先週まで満開だった桜、あっというまに散ってしまいました。
これからは新緑です。高野川沿いの通勤がまだまだ楽しみな季節です。


さて、先日から、サービスをご利用いただいている糖尿病の方の話。
60歳代の女性の方でご主人とお2人でお住まいです。
糖尿の合併症で、視力低下、以前脳梗塞を起こされ、車椅子での生活をされています。

京都に引っ越してこられるまでは、毎日レストランでお食事されていました。
血糖値は300、400はザラ。
ヘモグロビンエーワンシーに至っては10%台を推移という状況です。
インスリンの打ち忘れもありました。
病識は、お2人とも、かなり低いです。

今回、引っ越しの為、レストランが近くになくなり食事の確保ができなくなるので、ケアマネージャーに紹介され配食を利用になられました。
「主人は料理できないの、だから配食を使いたい」と、ご本人。

今までレストランで食べていたお料理からすると、薄味で量も少なくなりますよ、とお伝えすると、「いい、大丈夫」と言われ、お届けがスタートしました。

レストランで食べていたのが、すっかり配食に切り替わる事になったんです。
朝食や、間食のアドバイスもしましたが、それだけでも血糖値は絶対下がるはず、と思い、次回の検査結果を待っていました。


その後しばらくして様子を聞きました。
すると、ご主人より、「残してるねぇ・・」と。

急いで訪問しました。ご本人、「お腹すかないの」と。

話を伺うと、朝ごはんをかなりしっかり食べるようです。
その量は食パン2枚にバター、ジュースを300~400ml。
野菜は、食べるように伝えていたのですが、食べていません。
シリコンスチーマーまで用意してくれていたのに!

なので、昼はお腹がすかず残し、夕も少し残しているよう。
夕食後、朝まで何も食べないので、お腹がすき、また朝ごはんをしっかり食べてしまう状況。

糖尿病や肥満症の方に、朝はしっかり、夕は軽めに食べましょう、と指導しますが、度が過ぎては、高血糖の原因になります。

お2人に、夕食を全部食べて、朝までお腹がすかないようにして、朝のジュースはお茶にかえるよう、伝えました。
が・・

「でも、朝はしっかり食べる方なの。ジュースも飲みたいの」とご本人、聞いてくださいません。

話していると、少し精神的な疾患もおありなのでは、と感じますが、診断はされていないようです。

ケアマネージャーに相談していた時に、
「“透析は絶対嫌!”って言ってるので、そのあたり伝えてあげて」と言われた事を思い出しました。

そこで、「でも、朝はしっかり食べる方なの。ジュースも飲みたいの」と、繰り返す本人に、
「血糖が上がると、腎臓が悪くなって、透析になりますよ、
そうなると、週に3回も病院に通わないといけないですよ!」と、伝えました。

すると、「透析は絶対嫌!それならジュースやめてお茶にする」と、ようやく約束してくださいました。

透析の一言が効きました。
ケアマネさん、ありがとう。
ケアマネさんに連絡しておいてよかった。

この方にとってのささる言葉はこれだったんですね。

今後の関わりをどうしていくか少し不安です。
ケアマネージャーやその他関係機関と情報を共有して、協力しながら、ご本人とご主人に、意識をもってもらうよう言い聞かせていくしかないのかと思います。

あれを食べるな、これをやめろ、とばっかり言う管理栄養士と思われていると思います。
そうじゃないんです、量の問題なんですよ。
血糖が安定するまで、サポートさせてください。


はーと&はあと
管理栄養士 宮川曜子

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