食事療養のサポートを現場から発信

ソーセージ禁止効果

こんにちは。北摂管理栄養士の島田です。

秋の雨が寒いですね。来月の淀川マラソンを控えて練習中ですが
さすがに雨の日は走れないので自宅でストレッチの日々です。

さて、以前のご登場いただいたK様
腎臓病でたんぱく質制限が必要な食事療養をされていますが
数値が上がってしまい、前回ご訪問させていただいたときに
たんぱく質の摂りすぎ防止のため間食のソーセージを
食べないようにお願いしておりました。

先日、配送さんに血液検査の結果を渡していただいて拝見すると
BUN(尿素窒素)が70から53に低下
Cr(クレアチニン)も4.05から3.09に低下しておりました
クレアチニンについては薬が増えた影響も大きいと思いますが
ソーセージをやめて4ヶ月、徐々に効果が出てきたようです。

Kさまの体調も夏を終えても変わりなく元気にお過ごしです。
これからも安定な状態が続くようサポートしていきたいと思います


さて、話は変わりまして先日大阪歯科医師会の研修会に参加してきました。
演題は「胃ろうよさよなら―再び常食へ―」
全国では40万人といわれる胃ろうの方たちがおられます。
講演をされた先生は、胃ろうから元の『経口常食』を食べられるまで
回復されることに取り組まれている方です。

先生曰く、誤嚥性肺炎のリスク回避や認知症の進行に伴う栄養不良状態の
回避のために胃ろうが作られているが、胃ろうをしても、その後の合併症や
誤嚥は改善されず、むしろ常食をかんで食べさせることの方が
嚥下・咀嚼障害を起こさず人間的な尊厳を保つことができると力説されていました。

先生の指導のもと、いくつかの特養では胃ろう全廃を達成され
入所されているご高齢の方全員が常食を召し上がられているそうです
(胃ろうになっても導入が一年以内であれば1ヶ月から2ヶ月程度で
 常食が食べられるまで回復できるようで)

そのための最重要ポイントは噛むこと。
とにかく自力で常食をしっかり噛んで食べさせることが一番効果が
あり、噛む為にはゼリー食やペースト食ではダメで
いきなり常食を食べさせることが回復までの最短ルートだとご講演されていました。

内容については、自分自身が無知な点もあり、?がつく点もありましたが
噛むということがいかに大事かというのは非常に納得・腑に落ちました

日々の相談では「良く噛んでゆっくり食べてくださいね」と言いながら
「お宅のかぼちゃは硬い、葉物の繊維が残って食べづらい」との声を聞くと
「すいません、もう少し軟らかく作ります。気をつけます」と答えてしまいます。が
ちょっと待てよ!皆さん、そもそも噛めてんのか?いや、噛んでんのか?
咀嚼できる歯の状態で喫食できてるのか?
という確認をとばしてしまっていたような気がします。

もちろん、我々が食べて硬い仕上がりの料理は調理人に指導が必要ですが
まずは、良く噛んで噛んで噛んで食べるという原点を忘れないように
しようと勉強になった講演でした。


はーと&はあと 管理栄養士 島田天心

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