高血圧・心疾患・脳血管疾患の食事療養のポイント
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- 高血圧とは?
- 高血圧とは何らかの原因で血液量が増量したり、あるいは末梢血管の抵抗が強くなり、血圧が異常に高い状態です。高血圧は症状であってそれだけでは疾患ではありませんが、心疾患、脳血管疾患、腎疾患、妊娠中毒症とも深い関わりを持っています。
- 心疾患とは?
- 心疾患とは心臓の機能障害により、安静時あるいは体動時に、全身各臓器がその代謝に必要とする十分な血液量を排出できなくなった状態です。
- 脳血管疾患とは?
- 脳血管疾患とは、急激に脳の血管に出血などの障害が生じ、意識障害や運動障害を起こした状態です。脳血管疾患には脳出血、くも膜下出血、脳梗塞などがあります。
高血圧・心疾患・脳血管疾患に関する検査値
血圧レベルの診断と分類
分類 |
収縮期血圧(mmHg) |
拡張期血圧(mmHg) |
正常血圧 |
至適血圧 |
<120 |
<80 |
正常血圧 |
<130 |
<85 |
正常高値血圧 |
130〜139 |
85〜89 |
高血圧 |
軽症高血圧 |
140〜159 |
90〜99 |
中等症高血圧 |
160〜179 |
100〜109 |
重症高血圧 |
≧180 |
≧110 |
食事療養の基本
- 食塩を制限する。
- 加工食品(ハム、ベーコンなど)、漬物、干物、練り製品(ちくわやかまぼこなど)の食塩含有量の多いものは避ける。
- インスタント食品、調味料は控える(減塩みそや減塩しょうゆを上手に活用する)。
- スナック菓子やせんべいなどの菓子類にも注意する。
- 減塩調理を工夫する。
- 新鮮な材料を使用し、素材の持ち味をいかす。
- 酢、レモン、ゆずなどの酸味を利用する。
- こしょう、カレー粉、わさび、からしなどの香辛料を利用する。
- 下味をつけない。
- 香味野菜やのり、ごまなどの風味ある食材を利用する。
- 肥満者は減量、または肥満予防のためにエネルギーを制限する。
- たんぱく質を十分補給し、動物性脂肪を控える。
- アルコールは制限する。
- 適量を守る。(200kcal/日以下にする)←カロリー表を参照
- つまみの摂り過ぎにも注意する。
- カリウム、カルシウムを十分とる。
- 生野菜、果物、海藻などのカリウムを多く含む食品をとる。
- 牛乳、乳製品、大豆製品、緑黄色野菜などカルシウムを多く含む食品をとる。
- ビタミンを十分とる。
- 食物繊維を十分とる。
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- 引用・参考文献一覧
- 山本みどりほか:臨床栄養ディクショナリー,メディカ出版,2002
- 玉川和子ほか:臨床栄養学実習書,医歯薬出版,2000
- 中村丁次:栄養食事療法必携,医歯薬出版,2000
- 足立香代子:検査値に基づいた栄養アセスメントとケアプランの実際,チーム医療,2006
- 科学技術庁資源調査会編:五訂日本食品標準成分表,2000
