慢性膵炎・慢性胆嚢炎の食事療養のポイント
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- 膵炎とは?
- 膵炎とは活性化された膵臓酵素によって膵臓自体が自己消化され、壊死と炎症を生じた状態です。炎症が慢性的に起こることで、膵臓の機能が低下した状態を慢性膵炎といいます。原因にはアルコールの大量摂取が深く関わっていて、腹部や背中ににぶい痛みが発症します。
慢性膵炎に関する検査値
血清アミラーゼ |
膵リパーゼ |
基準値:S-amy 50〜190U/l |
基準値:9〜43U/l |
- 胆嚢炎とは?
- 胆嚢炎とは、胆石症(胆汁が濃縮すること)による刺激や、細菌の感染などにより炎症を生じた状態です。
慢性胆嚢炎に関する検査値
白血球 |
CRP値 |
基準値:3,500〜9,000/µl |
基準値:0.3mg/dl以下 |
食事療養の基本
- 食事は糖質中心の低脂肪食とし、脂質は制限し、脂肪の少ない食品を選ぶ。
- 鶏ささ身、豆腐、脂肪の少ない魚、はんぺん、かまぼこ、卵などを使用する。
- 脂肪の多い肉類や食品(牛ロース、豚ロース、鶏肉の皮、油揚げなど)は避け、脂質を30g/日以下に制限する。
- 難消化性食品(きのこ類、たけのこ、ごぼう、れんこん、ひじき、硬い豆類、海藻類)は避ける。
- 味付けはうす味にする。
- 塩分を多く含む漬物、佃煮、干物、ハム・ソーセージなどの加工品などは避ける。
- カフェイン、炭酸飲料、香辛料の摂取は避ける。
- コーヒー、紅茶、カレー粉、唐辛子、わさび、濃いお茶は避ける。
- アルコールは控える(アルコールが原因の場合は禁酒)。
- コレステロールを多く含む食品は避ける。
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- 引用・参考文献一覧
- 山本みどりほか:臨床栄養ディクショナリー,メディカ出版,2002
- 玉川和子ほか:臨床栄養学実習書,医歯薬出版,2000
- 中村丁次:栄養食事療法必携,医歯薬出版,2000
- 足立香代子:検査値に基づいた栄養アセスメントとケアプランの実際,チーム医療,2006
- 科学技術庁資源調査会編:五訂日本食品標準成分表,2000
